低空飛行の航空日誌

何かあったことをつらつらと気の向くままに

Windows 98とWindows NT 4.0のデュアルブート

昨年4月にジャンクで入手した、VAIO PCG-861に遊びで入れたときのメモ。

必須要件

HDDの先頭から4GBの範囲内にWindows 98とNT 4.0の領域を確保する

Windows 98は、『インストール・起動はHDDの先頭から4GBを超える領域でも可能』。
一方、Windows NT 4.0は、『インストール・起動はHDDの先頭から4GB未満の範囲内に確保された領域なら可能』という条件がある。

これは、たとえばHDDの先頭から8GBを確保した領域をCドライブとした場合、Windows 98ならインストール・起動はできるが、Windows NT 4.0のインストール・起動はできないことを意味する。
デュアルブートの際は領域を分けるのが基本なので、Windows 98用に4GB以上の領域を確保してしまうと、Windows NT 4.0のインストールはできなくなる。
Windows 2000以降なら、この制限はない)

そのため、Windows 98Windows NT 4.0をインストールする領域の合計が、4GB未満となるように領域を確保する必要がある。
今回は1GBをWindows 98に割り当てたが、Windows NTのインストールファイルをコピーするための余裕も十分確保できたことを付け加えておく。

FAT16でフォーマットした領域へWindows 98をインストールする

NTFSとFAT16しか読み書きできないNT4.0のインストーラが、一時的にWindows98と同じ領域内にインストールに必要なファイルをコピーし、インストール時に使用するため。(インストール完了後は削除される)

Windows 98は『大容量ディスクのサポート』を『しない』とした領域へインストールする

Windows98のインストールCDを使い、FAT16でHDDをフォーマットするために必須の条件。
(『大容量ディスクのサポート』を『する』で確保した領域は、無条件にFAT32でフォーマットされる)

基本MS-DOS領域を最低一つ設ける

『インストールと起動は基本MS-DOSパーティションのみのサポート』という、Windows 98の製品としての仕様があるため。

やり方

  1. Windows 98をインストールする
  2. Windows 98上でWindows NT 4.0のインストールを開始する
  3. MS-DOSプロンプトが起動し、インストールに必要なファイルがCドライブ内にコピーされる
  4. MS-DOSプロンプト内でのファイルコピーが終わったら、そのまま再起動する
  5. 再起動後に『オペレーティング システムの選択』が表示されたら、そのまま放置してWindowsNT 4.0のセットアップを続ける

セットアップ完了後は、起動時に毎回『オペレーティング システムの選択』が表示される。
Microsoft Windows』がWindows98、『Microsoft Windows NT …』がNT 4.0となる。
VGA modeとついた起動メニューは、通常使用しない。

ノートPCにWindows NT 4.0を入れた感想

完全32bitの安定性と、使い慣れた画面レイアウトの使い勝手の良さを、非常に少ないリソース消費*1で実現するNT 4.0。
IEも6.0まで入るため、おそらく遊びで使うには適しているだろうな……と思ったら、入れた直後に次の問題に当たってしまった。

デバイスマネージャがないので、ドライバのインストールが困難

一体どうやってデバイスドライバをインストールすればいいんだ?という状態。
なおNT 4.0対応を謳う昔のデバイスは、たいてい独自のインストーラでドライバをインストールしている様子。

調べてみたらコントロールパネルの『SCSIアダプタ』を使ってインストールするのだとか……なんじゃこりゃ。

Windows 2000以降の『デバイス マネージャ』が、NT系のOSにとっては本当に大変革だったんだなと実感した。

そもそもCardBusはおろか、PCMCIAにすら対応しない

リリースがNT4.0より前のWindows 95でさえ、PCカードマネージャをOS内に持っている。
NT4.0にはそれさえない。故にカードマネージャを見つけるところから始まるが、2014年の今日ではそれさえ困難。(=使えない)

古いノートPCで、PCカードが使えないのは致命傷としか言えない。*2

USBにも対応しない

Windows 95も最初期は対応していなかった(その後Service Releaseにより対応したが、対応デバイスはほとんどなかった)。
NT 4.0は英語版が1996年半ばの発売であるから、開発はそれ以前に終了していたと見ると、仕方のない点ではある。

なお一部メーカーでは、独自にUSBに対応させるプログラムを配布していた様子。

遊びのまとめ

古いノートPCを遊びで使うなら、Windows 98以降、なかでもWindows 98 Second Editionが最適だなとわかった。
Windows 95よりも幅広いデバイスへの対応に加えて、要求される性能とのバランスが優れているのは、特筆に値する。*3

今回の実験で遊んだPCG-861にはWindows 98を入れて、IRCtwitter閲覧機にでもするか……

*1:インストール直後はメモリを20MB程度しか使用しない

*2:昔はLAN標準装備の機種が皆無という状態だったため、必ずと言っていいほどPCカードタイプのLANカードを使用していた

*3:Windows 2000は、軽快に動作させるためにはメモリが最低256MB必要のため、2000年よりも前に発売されたノートPCには厳しい。使用するメモリの規格が古く、増設さえできない場合や、最大メモリ搭載可能量が256MB未満の場合もある。